釉薬のトラブルについて相談を受けました。
陶芸はとにかくトラブルとの戦いでもあります。常に、不安定な自然の粘土を使うことだけでも安定的に焼き上げることは困難の連続ですが、釉薬と粘土との相性や釉薬のかけ方でもできあしは大きく左右されてしまいます。先日、学校の先生からこんな写真のような作品が持ち込まれました。生徒の作品だそうですが、とにかく全体にかけた透明釉がまるで水滴のように縮れて焼きあがってしまっています。一点二点ならまだしも、一度に焼いた作品の半分が写真のようになってしまったということでした。僕も昔一度これを経験したことがあるのですが、実は、この現象は粘土にも釉薬にも責任はなく、完全に窯の内部の湿り気といわざるを得ません。釉薬時に水分をたくさん含んだ分厚い作品を大量に窯詰めしてそのまますぐに焼いてしまうと内部の湿気が作品の表面の釉薬を浮き上がらせてしまうのです。約一日程乾かしてら窯詰めするか、水蒸気がなくなるまでの間窯の扉を開けておくことにより防ぐことができる失敗といえます。明日ご本人と会いますので説明してあげる予定です。 国立けんぼう窯 岸野 和矢







